眼瞼下垂

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眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂とは、眼瞼→瞼(まぶた)、下垂→垂れ下がっていること。つまりまぶたが垂れ下がって見える状態のことをいいます。
まぶたが下がっていることで黒目の上半分が隠れてしまっています。
眼瞼下垂は、さまざまな原因で発生しますが大きく分けて2つの理由が考えられます。
1.まぶたを上げる筋肉が弱い
2.まぶたの皮膚がたるみ、垂れ下がっている
1.まぶたを上げる筋肉が弱い
まぶたを上げる筋肉は、難しい名前になりますが、上眼瞼挙筋(上眼瞼挙筋腱膜【じょうがんけんきょきんけんまく】)と瞼板筋(【けんばんきん】※ミューラー筋)の2つになります。
この2つの筋肉が弱ることによって、まぶたが開きづらくなります。
見た目が眠い感じになり、まゆげをつり上げるために額にしわが寄ります。

2.まぶたの皮膚がたるみ、垂れ下がっている
まぶたの皮膚がたるんでいて、垂れ下がっている状態です。この状態を偽性(ぎせい)眼瞼下垂といいます。
「偽性=本当ではない」という意味です。まぶたを上げる筋肉に問題はないので、偽性といいます。

3.重症筋無力症
重症筋無力症とは、目や手足の筋肉に力が入らなくなる病気です。筋肉を動かす神経が自己抗体により障害をきたす自己免疫疾患の1つです。手足は正常で目だけに症状が出る場合もあります。1日の中でも症状が変動しやすく、特に夕方に悪化する傾向がみられます。目の症状としては、眼瞼下垂や1つの物が二重に見える複視があります。検査には神経と筋肉の伝達を改善するテンシロンを静脈注射して症状が改善するか判断するテンシロンテストで診断します。

眼瞼下垂の症状

見た目が眠い感じになり、まゆげをつり上げるために額にしわが寄ります。
視界が狭くなり、特に上の方が見えにくくなるため、あごを上げて物を見るようになります。
このため肩の筋肉に無理な力が入り、肩こりの原因となります。
図1 朝方は調子が良く、夕方や疲労時に眼瞼下垂症が起こってくる場合は、重症筋無力症というご病気の可能性があります。
図2 眼瞼(がんけん:まぶたのことです)を動かす筋肉は3つあります。目を閉じる時に働くのは眼輪筋です。
図3 目を開けるときに働くのは、先に述べました上眼瞼挙筋と瞼板筋の2つがあります。
図4 眼輪筋の痙攣により瞼が下がることがありますが、これは眼輪筋痙縮症という病気で、眼瞼下垂とはいいません。

眼瞼下垂の治療について

重症筋無力症による眼瞼下垂を除いて、眼瞼下垂は一度生ずると点眼薬などで治療しても回復することはありません。手術が必要となります。
眼瞼下垂の程度により、以下の5つの術式があります。

(1)上眼瞼挙筋腱膜前転術
(じょうがんけんきょきんけんまくぜんてんじゅつ)
(2)上眼瞼挙筋腱膜・ミューラー筋複合体前転術
(じょうがんけんきょきんけんまく・みゅーらーきんふくごうたいぜんてんじゅつ)
(3)ミューラー筋前転術
(4)前頭筋吊り上げ術
(ぜんとうきんつりあげじゅつ)
(5)埋没式眼瞼下垂手術
(まいぼつしきがんけんかすいしゅじゅつ)
最も多く用いられるのは、
(1) 番の、上眼瞼挙筋腱膜(上眼瞼挙筋の根元でアキレス腱のような状態になっている部分)を前転する手術となります。
炭酸ガスレーザーを用いると、出血が少なく、短時間で手術を行なうことが可能です。
[ただし、炭酸ガスレーザーは上手に使用しないと、メスやハサミなどに比べると瘢痕を形成する恐れがあります。
当院ではメスやはさみ、炭酸ガスレーザーを組み合わせた治療をおこなっております。]
まぶたを上げる筋肉には上眼瞼挙筋とミューラー筋とがありましたが、前者は随意神経 (ずいいしんけい:自分の意志) である動眼神経支配 (どうがんしんけい)、後者は自律神経 (じりつしんけい:自分の意志とは無関係) である交感神経支配です。
このどちらかの筋肉の力が弱くなることで眼瞼下垂症を生じます (図5)
眼瞼下垂手術はアプローチ法も含めて、それこそ1冊の本ができるほど多数の方法があります。

眼瞼下垂手術の
アプローチ分類

どこを切るかによっての分類は
A.まぶたの表の皮膚を切る経皮法 (けいひほう)
B.まぶたの裏の粘膜(結膜)を切る経結膜法 (けいけつまくほう)
C.どこも切らずにおこなう埋没法

に分かれます。

眼瞼下垂手術の術式分類

基本は上眼瞼挙筋を前転し瞼板に縫着することになりますが、縫着する筋肉は手術者により、
(1)「上眼瞼挙筋のみ」
(2)「上眼瞼挙筋とミューラー筋を同時に」
(3)「ミューラー筋のみ」

の3方法が取られます。
縫着する方法も
A.腱を切断し縫着する方法(短縮術)
B.切断しないでタッキング (プリケーション、プライケーション) により縫着する方法

とに分けられます。

当院では、炭酸ガスレーザーを用いて「上眼瞼挙筋とミューラー筋を同時に」タッキング法により短縮する方法で、治療・手術をおこなうことが多い(図6)ですが、患者様の症状によって全ての術式を使い分けております。また、手術中に必ず眼瞼の位置を座位で確認して修正しております。

それぞれの眼瞼下垂
手術ダウンタイム

1. まぶたの表を切る経皮法
手術後2週間ほど眼瞼腫脹がみられます。

2. まぶたの裏を切る経結膜法
術直後若干腫れる程度です。術後1週間ほど目がゴロゴロすることがあります。

3. まぶたを切らない埋没法
術直後、若干腫れる程度です。
術後1か月ほど、目がゴロゴロすることがあります。
まぶたの裏を切る経結膜法により腫れてしまうことがあります。(出血した場合は腫れてしまいます)

眼瞼下垂術後の腫れを
抑える方法について

(1)軽度の圧迫
(2)冷却 (濡れタオル程度、体を温めない、入浴を避けてぬるめのシャワー)
(3)頭を高くする (高めの枕を使用)
(4)抗炎症剤(炎症を抑える薬)の使用
(5)安静

眼瞼下垂術後のトラブル

(1)まぶたの左右差
左右均等に腫れることはありませんので、腫れている期間は左右差が出やすいです。
術後3か月経過しても左右差が残る場合は、修正手術が必要になります。

(2)目が閉じない、ドライアイ
空気に触れる目の表面積が大きくなり、目が乾きやすくなります。
時間とともに改善されていきますが、ひどい場合には角膜障害を起こして、目の検査や点眼薬が必要となりますので眼科受診が必要です。※修正手術が必要な場合もあります。

その他の治療法について

上眼瞼挙筋機能が全く消失している場合には、大腿筋膜や側頭筋膜を移植する必要がある場合もあります。
当院では、移植手術もおこなっておりますのでお問合せ下さい。
眼輪筋痙縮症に対しては、ボトックスの局所注射が有効ですが、頻回に繰り返す必要があります。

眼瞼下垂の予防ポイント

長期間コンタクトレンズを使用していると、眼瞼下垂を起こすことがよくあります。
特にハードレンズに多く見られており、この場合はソフトレンズもしくは眼鏡に変えるようにしましょう。

きくな湯田眼科では、保険適応である目が開かないと日常生活が困難であるご病気の方を治療いたします。美容目的の場合は自費診療になりますので、ご希望の方は湯田眼科美容クリニックへご相談ください。
湯田眼科美容クリニック/RY グループ
二重整形専門の神奈川県横浜市にある美容整形外科(yudaclinic.com)
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東急東横線/JR横浜線「菊名駅東口」徒歩1分
(東口を出て右へ進んでいただきます。進行方向左手の「Fit Care/TSUTAYA」の先が当院になります。)

住所

〒222-0011 神奈川県横浜市港北区菊名4-3-11

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